Student Profile of Kaori Koizumi

バックグラウンドについて
私は横浜市鶴見区にある橘学苑中学高等学校に英語教師として勤めて13年目となります。4年前に立ち上げた国際コース(1年間NZに生徒が高校2年次に留学)のプログラムディレクター兼外国語科主任としてこの間、カリキュラム改革、英語の授業づくり、シラバス・デザインづくりを中心に行ってきました。
日本における少子化の影響は私学にとってはとても大きく、ここ数年は休みなく、トップギアで"私学の生き残り"をかけて学校改革を進めてきました。しかし、多忙化が進むにつれ、私の中で疑問に思うことが多々出てきました。
「これからの21世紀に大切にすべき教育とは何か、世界は今、どういう方向で動いているのか。その中での英語教育とはどうあるべきか」
新しい時代を迎える上で、今一度原点を見つめなおし、理論と実践が一体となった魅力ある授業づくり、カリキュラムづくりを自信をもって進めていきたい、中堅リーダーとして担っている今、今後若い先生たち、そして子供たちに希望をもってこれからのビジョンと方向性をしっかり示していきたい、という思いが昨年ピークとなりました。
そのためには、中途半端な、借り物の考えではなく、自分自身がしっかりと学びなおす必要がある。しっかりと足を地につけた学習をする時期にきているのではないかー自分自身に疑問を投げかけ、最終的にその答えを求めるべく、考えた結果が「留学」でした。そこで、昨年7月に校長を説得して1年間休職を願い出ました。
なぜ、ウーロンゴン大学を選びましたか?
ウーロンゴン大学は、本校の推薦大学でもあるため、比較的にいろいろな情報が手に入ったということと、またTESOLの修士が他の大学の比べて短期間で終了することができるという点、また、環境的にも大変素晴らしいという定評もあったので最終的にウーロンゴンで学ぶことに決めました。
TESOL MASTERコースについて教えて下さい。
私は4月から職場に復帰しなければならないので、7月から11月までの1タームだけを受講しました。リテラシー教育の理論と実践、評価問題、授業シラバスづくりなど、どの科目もとても学びがいがありました。今までの自分の授業実践がどの理論と関連したのか、いろいろな角度から自分を振り返ることができたことと、授業づくりの原点となる教育および言語目標は何なのか、普段あまり深く考えない分野をたくさんの書物を通して追求することができ、その過程で様々なことを発見することができました。授業自体も非常に面白く、担当する教授たちも大変熱心で面倒見がとてもよく、教員としての"モデル"となりました。確かに課題を短期間でこなすのは大変でしたが、私自身はその過程自体を多いに楽しみました。とにかく非常にやりがいがあり、もっともっと深く学んでいきたい、という思いが課題をやるごとに増してきました。 また、このコースで学ぶ人たちの国籍も経験も豊かで、みな親切で熱心に勉強します。勉強会などを企画してお互い刺激しあうことができました。そういう中であらためて英語という言語を見直す機会を得るとともに、さまざまな人たちと国境を越えて“つながる”大切さをも実感しました。
ウーロンゴンでの生活はどうですか?
私はキャンパス・イーストという学生寮のセルフケーター(自炊をする)で5人共同のユニットに住んでいます。4人はみなオージーの若い学生たちですが、とてもみな気さくでたまに一緒に夕食を食べたり、お話しをしたりして私にとっては非常に楽しく快適な寮生活を過ごしています。海辺も近く、土日は4キロの海辺マラソンをしたり、ヨガを楽しんだりしてオーストラリアの大自然を満喫しています。日本ではなかなか体験できません。思いっきり深呼吸をして、新鮮な空気をいただく。魂が浄化されていく感じがします。人間として 豊かに生活するためには最低限何が必要なのか、自分は何を大事にしたいのか・・などここの素晴らしい自然と対話する中で客観的に「自分自身」を知る機会にもなりました。
卒業後のプランを教えてください。
まだ大学院生として職場に復帰してからも学び続けます。あと4科目とらなければ修士は終了しないので、通信教育(DISTANCE PROGRAM)に切り替えて勉強することになります。仕事、家庭との両立は大変だとは思いますが、学んでいることを他の先生たちに紹介したり、何よりも生徒たちに還元できることを思えば、その大変さも克服していける気がします。 ウーロンゴン大学で学んだ新しい「ものさし」をぜひ、いろいろな形で職場に紹介していきたいと思います。
海外留学を考えている人へのアドバイス
私は留学の夢を中学2年生のころからあたためてきました。なかなか機会がなくて、今、こうして実現できたことは非常に感動しています。人間「タイミング」というものはあるものなので、だからこそあきらめずに夢を追い求めていくことの大切さを実感しています。
今、たくさんの英語教師たちが職場で悩みを抱えていると思います。もっと実践を骨のあるものにしたい、子供たちに大学受験、TOEICなどといった目の前の目標を超えた形で伝えていきたい、新しい環境を自らが先頭にたって職場の中でつくっていきたいという強いパッションをもっている方がいらっしゃいましたら、是非留学の一大決心をしてほしいと思います。
私には、その強いパッションが自分の職場での経験を通して培われてきた、ということ、今も続けて教員をしているのでバックに子供たちや職場の仲間たちがいたことは多いに励みとなりました。また家庭の支えもあったことも大きいです。
一大決心をして本当によかったと思います。 人生は一度しかありません。残りの人生をどう生きるかー。さまざまな課題を抱えている現代において、波風にのまれることなく、自分の軸をもっと太くし揺るがない自分をつくっていくためにも、これからも"新しい視点"を体験を通して培っていきたいと思います。